2010年度 第2回 生涯学習特別講義のご案内

食を通して、こころとからだの健康生活習慣を

「生涯学習特別講義」は本学独自のネットワークにより、社会の第一線で活躍する著名な先生をゲスト講師として招き、講義やパネルディスカッションを行う特別講義です。

2010年度第2回は、茨城キリスト教大学の板倉弘重名誉教授をお招きし「食と健康生活習慣」について考えました。

講師紹介

『生活習慣病を予防するための食育』
玉木 雅子
人間総合科学大学・大学院 人間科学部 健康栄養学科 講師

玉木雅子「食育」の目標は「健全な食生活を実践することができる人間を育てる」ことです。最初から高い目標を掲げた理想を提示するのではなく、教育を受けた者が実践(および持続)可能であり、かつ実践する気持ちを引き起こすことが優先されると考えます。
心身の健康のためにも、過剰な制限で食事がストレスになることは好ましくありません。

この講義では、適切な食習慣を心に無理なく身につける方法について考えます。食事バランスガイドなどの食事チェックツールを紹介するとともに、より簡単な食事評価法として、毎食の献立を確認する方法をお勧めします。

具体的な実践編として、①基本の食事作り、②一日に摂りたい野菜の目安量、③加工食品の栄養表示、についてお話をさせていただきます。

この講義が、聞いて下さった方の新たな「実践」のきっかけになれば、とても嬉しく思います。


『臨床栄養の面から生活習慣病を考える』
白石 弘美
人間総合科学大学・大学院 人間科学部 健康栄養学科 教授

121208_2私たちは、長年にわたり穀物から炭水化物と植物性タンパク質を摂り、動物性タンパク質としての魚介類からはIPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3系脂質(n-3系脂肪酸)を摂ってきました。そして野菜や果物、緑茶からビタミンやミネラルを、さらに味噌や醤油をはじめとする微生物を利用した発酵食品を摂取してきたことによる、特有の遺伝性体質を確保したとされています。

このような食文化こそ、日本人が世界一の長寿国とされる最大の要因ともいえますが、近年の欧米文化の流入とともに短期間で食生活が変化し、同時に日常生活は車社会、家庭電化が普及したことにより運動・活動量が減っています。これら日本人に特有の遺伝性や、代謝システムが生活習慣病を生みだしているといっても過言ではありません。

日本人特有の代謝システムと遺伝性の特徴や、臨床的な面から生活習慣病が生みだされる背景など、食をとおしてこころとからだの健康と生活習慣病を考えました。


『あなたが生活習慣病になる理由』
板倉 弘重
茨城キリスト教大学 名誉教授

板倉弘重ヒトの長い歴史において飢餓と疫病との闘いを経て現在の人類が生存している。少ない食糧で生き延びていくためには倹約遺伝子が有利な状態を生み出してくれた。過食や運動不足の時代になると、せっかくの倹約遺伝子がメタボリックシンドロームの発症素因となる。
また、メタボリックシンドロームの発症要因として、母親の低栄養による低体重出生児が問題となっている。低栄養環境下で育った胎児は、出生後の世界でも低栄養環境を予測して臓器が形成されている。飽食の環境下では生活習慣病を引き起こしてくる。

自動車や電子機器の発達はヒトの消費エネルギー量を少なくしているが、甘味と油脂のおいしさを感じる体質は変わっていない。急激に変化している現代の環境を上手に受け入れる知恵と実行が生活習慣病の予防に必要である。ヒトは個人によって体質は異なっており、体質の多様性は貴重で尊重されなければならない。
そこでテーラーメイドの環境づくりが生活習慣病の予防に求められる。


『パネルディスカッション』
板倉 弘重 茨城キリスト教大学 名誉教授
玉木 雅子 人間総合科学大学・大学院 人間科学部 健康栄養学科 講師
白石 弘美 人間総合科学大学・大学院 人間科学部 健康栄養学科 教授

※ 講師、講演内容は一部変更となる場合がございます。

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往復はがきに以下の通り記載の上、送付願います。
受講許可書は往復はがきの返信をもってかえさせていただきます。

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受講終了時に、上記「受講許可書」と引き換えに「修了証」(※)をお渡ししますので、当日は「受講許可書」を忘れずにお持ちいただくようお願いいたします。
なお、修了証は全時限受講された方のみに発行いたします。
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